こんな夢を聞きました。
私は猫をおんぶして、どこかの街中を歩いています。背中には猫の重さと暖かさが感じられます。周りはだんだん薄暗くなってきて、人々の姿も、影のようにぼんやりとしてきます。背中の猫がズンと重くなってきます。猫の吐息やヒゲが首筋に当たるのを感じます。「ひょっとして、私はこの猫に食べられてしまうんじゃないか」そんな不安を感じながら、少し早足で歩きます。どこかに帰りつかないとと焦っているようです。背中の猫が「水道の水が漏れているよ」と言います。「猫をおんぶする」夢というのは、なんだか不思議です。猫は普通、胸に抱くことはあっても、おんぶなんてしないですよね。
この夢は何を意味しているのでしょうか?
もちろん、「夢占い」と言ったても、「この夢は◯◯を意味している」と辞書みたいに診断できる訳じゃあありません。
猫やおんぶのイメージ、連想を膨らませながら、夢を見たその人が何を感じるかといったことから、夢の意味がわかってくるのです。
猫の象徴とイメージ
「猫」は神話や昔話などでも、いろんなイメージを持っている生き物です。- 女性的なもの
- 気まぐれさ
- 残酷さ
- 可愛さ
- しなやかさ
- ずるさ
- 執念深さ
などなど。黒猫が不吉さを暗示したり、あるいは逆に幸運をもたらす猫といったイメージもあります。
おんぶの夢が意味すること
おんぶとは、親(母親)が赤子を背負うときに使う言葉です。「双肩に背負う」といった表現をする場合には、
人がなんらかの責任を引き受ける
といった意味を表していますね。
「おんぶの夢」は、赤ん坊や人間関係、仕事などで、なんらかの責任を背負うことを暗示しています。
また、抱っこと違って、おんぶの場合は「背負っているものがよく見えない」ということも特徴です。
何かの重みを背中に背負っているけれど、それが何なのかははっきりとしない、まだ無意識的なものがある、といったときに「おんぶ」の夢を見ることがあります。
上に紹介した夢でも、背中の猫はだんだん重くなっていき(重責を感じ始めて?)、不気味な雰囲気がかもし出されていきます。
「子泣き爺」という妖怪がいますね。
赤ん坊のように泣いているおじいさんを、哀れに思って背負ってやると、どんどん重くなってきてついには潰されてしまうという、あれです。
同じような妖怪に、「おばりよん」とか「うばりよん」「おんぶおばけ」といったものもあるようです。
夜中に「オバリヨン!」と叫びながら背中に乗ってくるのだそうな。
wikipediaには、
この「おばりよん」の昔話のように、「取っつくか引っつくか」「おぼさりたい、だかさりたい」「ばろんばろん」などの得体の知れない声に対し、それを恐れない豪胆な者や善人が「取っつくなら取っつけ、引っつくなら引っつけ」「おぼさりたからおぼされ、だかさりたからだかされ」「負(ば)れたかったら負れろ」などと返すことで富を得るという話は、新潟以外にも日本全国各地に見られ、昔話研究において「取っ付く引っ付く」という類型に分類されている。おばりよんと書かれていて、どうやら「責任」や「恐ろしさ」だけでなく、「富」ももたらしてくれる存在だとも考えられます。
夢のワークのための3つの準備
世の中には猫の夢を見る人がたくさんいます。多くの人の夢に、毎夜、猫が登場しているのです。
猫はずいぶん古くから、夢や神話に登場しているシンボルです。
直感や女性性、自立精神、創造性、傷つきやすさ、嫉妬、不運など、さまざまな意味を象徴しています。
猫の夢を占ってその意味を受け取るために、次のような準備をしてみてください。
夢を見ていたときの感じを思い出す
夢のなかの猫に対して、あなたがどう感じていたかを思い出すことは大切です。夢辞典に書かれていることよりも、夢のなかで体験した感情や雰囲気が、夢の意味を伝えてくれるのです。夢に表れたものすべてを思い出す
夢で猫と出会ったのはどんな場所でしたか? 家の中なのか、屋外なのか、どちらでしょう? 飼い猫やよく知っている猫ですか? それとも見知らぬ猫? 猫の他には、何が出てきたでしょう?
できるだけ詳細に、夢に表れた生きものや他の対象、背景などを思い出してください。
猫の様子はどうでしたか?
猫は穏やかですか? あなたに親し気な感じでしたか? それとも敵意を抱いていたり、怒っているようだった?
猫が遊んでいるのだとしたら、あなたにはもっと陽気さや遊び心が必要だということなのかもしれません。
猫が攻撃的な態度を取っているのであれば、女性的な側面になんらかの困難があると言えます。たとえば夢見手が男性なら、女性との関係で悩まされているのかもしれません。夢見手が女性なら、女友だちとの関係の問題か、あるいは自分自身の女性性にまつわることという可能性もあるでしょう。
また、猫の体調などにも注意してみてください。
ケガをしていたり、あるいは病気かもしれません。
その場合、あなたのなかの直感や女性的な側面が、うまく機能していないということを反映していると考えられます。
夢の物語を詳しく思い出す
夢を占う、あるいは夢の意味を知るためには、何が起こって、そしてどうなったかという夢のストーリーを詳しく思い出す必要があります。
ノートなどに書き出してもいいですし、誰かに話をすることで物語がはっきりすることもあります。
ポイントとしては、「現在形で」「今、ここでまさに夢を再体験しているかのように」語ったり、書いたりするということです。
夢の連想を膨らませる16の質問
夢を解釈できるのは、本来、夢見手その人だけです。「夢の意味を明らかにしたい」
こう思って、夢辞典をひもといたり、象徴について調べるのですが、それはあくまで夢の連想をふくらませるためのふくらし粉のようなものです。
夢分析において一瞬たりとも忘れてならないことは、不確かなこと以外は確かなことなど何もない、あてにならない地面をわれわれは動いている、ということである。それほど逆説的でなくとも、夢を解釈する人に次のように呼びかけたい気分である。「分かろうとさえしなければ、何をしてもよい」無意識や深層心理を探求したことで知られるユングは、夢分析についてこう書いています。
頭で「分かる」のではなくて、からだ全体を使って夢を「感じる」「体験する」のが大切だと言ったのは、ジェンドリンという哲学者・心理学者でした。
ジェンドリンは『夢とフォーカシング』という本で、夢をみた人が自分のからだに夢の意味を聞くための、16の質問を提案しています。
自分で解釈したい夢を思い浮かべて、次の質問を、あなた自身に問いかけてみてください。
書きかけの文章の続きを考えて、ひとつの文として完成させてみましょう(これは「文章完成法」という心理テストです)。
あなたの「猫の夢」も、質問に答えていくことで、意味が明らかになってくるでしょう。
1.何が心に浮かんできますか?
夢について連想することは、2.どんな感じがしますか
夢のなかで私が感じたのは、その夢の印象は、
生活のなかでその感じに近いのは、
3.きのうのことは
(昨日の夢)きのうしたことは、(以前に見た夢)夢をみたころに起こった出来事は、
4.場所は
夢に出てきた場所から思い出すのは、夢の場所のふんい気が似ているのは、
5.夢のあらすじは、
夢のあらすじをひと言でいうと、生活のなかでこのストーリーに似ているのは、
6.登場人物は
夢に出てくる登場人物(や動物その他)から思い出すのは、その人物を思い浮かべたときのからだの感じは、
7.それはあなたの中のどの部分ですか
登場人物のような性格や気持ちが、私の心のなかのある部分だとしたら、8.その人(猫)になってみると
少し目をとじてイメージのなかで、夢の登場人物(あるいは物や動物)になってみましょう。そして、次の文章を完成させてみてください。わたしの気持ちは、
わたしが言いたいこと、したいことは、
いかがでしょう?
夢の連想がふくらんできましたか? 何か気づくことや、分かったことがあるかもしれません。
では、夢を自分で解釈するための16の質問の後半8つにも取り組んでみてください。
その後で、【夢診断】連想を使った心理テストで深層心理を分析する(ウォッチワード法)をしてみましょう。
夢占い 猫 おんぶ
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